商船三井は30日、2024年3月に完成した液化天然ガス(LNG)を燃料に使う自動車運搬船について、電気自動車(EV)輸送に十分な火災対策が取られているとの認証を取得したと発表した。国際的にEVの海上輸送が増える中、従来のガソリン車とは異なる火災のリスクが懸念されていることに対応する。
日本海事協会が商船三井のLNG燃料船「セルリアン エース」に8月27日付で「AFVC」という認証を付与した。EVを海上輸送する際の自主的な火災への安全対策を取っていると認められる。
セルリアン エースは新来島どっく(愛媛県今治市)が建造した。全長は199.95メートルで型幅が38メートルある。自動車を最大7050台積める。
電池を大量に搭載するEVは電池が発火する懸念がある。また、一度鎮火しても再び燃えるリスクが高いとされ、ガソリン車よりも消火が難しいとされている。セルリアン エースは貨物スペース内に 人工知能(AI) カメラを設置し、異常を早期に発見して乗組員に伝えやすくする仕組みなどを導入している。
海運業界ではEVの運搬を巡ってリスク管理の機運が高まる。商船三井も3月に独高級車ポルシェに対し、EVを積んだ自動車運搬船の火災について損害賠償訴訟を起こしたことが明らかになっている。
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