日本製鉄は去年12月、USスチールを買収することで両社の間で合意しましたが、鉄鋼業界の労働組合が反対し、バイデン大統領とトランプ前大統領が組合側に寄り添う発言をするなど、ことし11月の大統領選挙に向けた思惑が絡む状況となっています。

日本製鉄は、この買収の完了を前提として、アメリカのペンシルベニア州とインディアナ州にあるUSスチールの2つの製鉄所に、少なくとも13億ドル、日本円でおよそ1870億円の追加投資を行う計画を明らかにしました。

製鉄所の設備の新設や高炉の改修を行い、競争力の強化を進めるとしています。

日本製鉄はこれまで、雇用の創出などにつながる日本円でおよそ2000億円の投資を行うことを公表していましたが、追加の投資を明らかにした形で、買収への理解を得るねらいもあるとみられます。

日本製鉄の森高弘 副会長は「今回公表した投資はUSスチールの高炉一貫製鉄所の競争力、環境面での持続可能性の向上に貢献する。将来にわたってアメリカ国内の安定した鋼材供給を支えていく」とコメントしています。

日本製鉄は、ことし12月までに買収の完了を目指すとしていて、引き続き、現地での対話などを進めていくことにしています。

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