公取委は巨大ITの監視・執行に向け、デジタル技術や海外政策に精通する人材を確保する。

公正取引委員会は2025年度の機構・定員要求で巨大IT(情報技術)新法の運用体制を50人規模にするよう要請する。25年末までに施行する新法では、米アップルや米グーグルのスマートフォン市場での独占を是正する。巨大ITの監視・執行に向け、デジタル技術や海外政策に精通する人材を確保する。

公取委は24年6月に成立した巨大IT新法の運用や執行に向け、35人の増員を求める。運用体制は足元の14人から3倍超となる。25年4月にも専門の部署を新設し、局長級のデジタル・国際総括審議官や課長級の参事官などを新たに置く。

それでも巨大ITに対し、執行体制は十分ではない。3月にデジタル市場法(DMA)を全面適用した欧州連合(EU)は、100人規模で同法を運用している。英国も200人規模での法執行を検討している。公取委は今後も定員の増員や外部人材の確保を進める。

巨大IT向け以外では、企業間の支払価格の買いたたきといった取引の適正化を監視する人材も増やす。公取委全体で25年度は55人の増員を要求する。25年度の概算要求では前年度から52億円増やした174億円を求める。

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