日立建機は24日、2025年3月期の連結調整後営業利益(国際会計基準)が前期比2%減の1650億円になる見通しだと発表した。欧州やインドでの建機需要が振るわない。為替レートを前期より円高と想定し、利益を押し下げる。純利益は5%増の980億円を見込む。事業再編による減損損失の影響がなくなる。

売上高にあたる売上収益は3%減の1兆3700億円を見込む。西欧やインドでは需要がそれぞれ15%減と落ち込む。西欧では金利の高止まりが響く。インドでは総選挙後の政策の先行きが読めないことが響く。日本や北米はそれぞれ3%減る。公共投資や設備投資が続くが、高水準だった需要が一服する。

今期の想定為替レートは対ドルで1ドル=141円と前期実績より3.8円円高、対ユーロでは1ユーロ=152円と5円円高に見直した。調整後営業利益で為替の影響により135億円分押し下げられる。値上げを進めるが、資材費などのコスト高もあり補えない。

配当は年175円と前期より25円増やし、過去最高になる。同社は従来、通期決算の実績を開示するまで期末配当と年間配当を示さないことが多かったが、早期に開示した。先崎正文社長は同日の決算説明会で「市場と対話するなかで配当予想の開示が大切と感じた」と述べた。

同日発表した24年3月期の連結決算は、売上収益が前の期比11%増の1兆4059億円、純利益が33%増の932億円だった。

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