宇宙開発ベンチャーのスペースワン(東京)は25日、今春に初号機の打ち上げに失敗した小型衛星ロケット「カイロス」の2号機を12月中にも打ち上げると発表した。初号機の失敗は、予測よりも速度が足りなかったことをロケットの自律飛行安全システムが「異常」と判断し、飛行を中断させたことが原因だったと特定したことも明らかにした。

詳細な日程は打ち上げの2カ月前に発表する。2号機には小型衛星1基と超小型衛星4基が搭載される予定。

スペースワンによると、打ち上げ直後に爆発した初号機は燃料の燃焼速度を実際より高めに予測した結果、第1段ロケットの推力が事前の計算よりも低かった。安全確保のため自律飛行システムの判断基準を厳しく設定していたことも響いた。オンライン形式で記者会見した遠藤守取締役は「再現性をきっちりと確保できるプロセスになっていなかった」と述べ、正しく予測できるよう改良したと説明した。

初号機は、民間単独開発のロケットとして国内初となる人工衛星の軌道投入を目指し、3月13日に和歌山県串本町の専用発射場で打ち上げられたが、約5秒後に爆発した。先端部に搭載していた内閣衛星情報センターの小型衛星は爆発で失われた。

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