農林水産物・食品の輸出再拡大に向けた取り組みに関する関係閣僚会議であいさつする林官房長官(右から2人目)=23日午前、首相官邸

 政府は23日、農林水産物・食品の輸出額が減少に転じたことを受け、再拡大に向けた取り組みを議論する閣僚会議を開いた。意欲的な産地を優先して支援する制度で生産体制を強化。中国による水産物禁輸の影響を減らすため、代替となる海外市場を新たに開拓する方針も確認した。

 2024年上半期(1~6月)の輸出額は前年同期比1.8%減の7013億円。東京電力福島第1原発の処理水放出に反発した中国向けのホタテなどの減少で4年ぶりのマイナスになった。23年通年は11年連続のプラスだった。

 会議では、旺盛な海外需要に対応するため効率的な生産や流通を進めるほか、輸出先の規制に対応した認証取得をサポートする施策が示された。新市場は現地大手スーパーなどを念頭に置く。

 品目ごとの課題にも言及した。輸出が好調なコメは迅速な供給に向けた精米施設などの整備を、ホタテは中国に代わる加工先の確保を推進する。政府はこうした取り組みで、輸出額を25年に2兆円、30年には5兆円まで拡大させる方針だ。

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