22日の東京株式市場でIHI株は一時8%高となった

22日の東京株式市場でIHI株が一時、前日比437円(8%)高の6000円まで上昇した。航空機エンジンの成長性などを評価し、証券会社が投資判断を引き上げたのが材料視された。

終値は328円(6%)高い5891円。売買代金は約378億円と前日の2倍に膨らんだ。JPモルガン証券は21日付で投資判断を3段階の真ん中の「ニュートラル(中立)」から、最上位の「オーバーウエート(買い)」に引き上げた。みずほ証券も22日付で同様に「中立」から「買い」に見直した。

JPモルガン証券の佐野友彦株式調査部共同部長は「25年3月期以降は航空エンジン主体の回復で、民間と防衛ともに利益率が向上する」と引き上げの理由を説明した。

IHIは21日、調査報告書を公表し子会社での船舶用エンジンなどで出荷前の試運転で不適切な行為があったと発表した。JPモルガン証券の佐野氏は「(船舶用エンジンと陸用エンジンの)事業規模は計600億円」と推定する。連結売上高(前期で1兆3225億円)に対する割合は低く、市場では「業績影響は軽微」(佐野氏)との見方が多い。

会社計画では25年3月期の連結最終損益(国際会計基準)は600億円の黒字(前期は682億円の赤字)の見通し。市場予想の平均(QUICKコンセンサス)は766億円と上振れ期待は高い。前期に計上した米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)製のエンジンの品質問題による損失の反動のほか、航空エンジンやスペア部品が利益を押し上げる。

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