日本工作機械工業会(日工会)が22日発表した7月の工作機械受注総額(確報値)は、前年同月比8%増の1239億円だった。3カ月連続のプラスとなった。政府の補助金効果が続く中国からの受注が7割増えたほか、大型受注のあった北米は1割増と2カ月ぶりのプラスだった。海外向けが堅調に推移し、低迷が続く国内向けの減少を補った。
7月の中国向けは66%増の295億円だった。同国政府は7月下旬、乗用車や家電の買い替えを促す補助金を拡充すると発表した。22日に記者会見した日工会の稲葉善治会長(ファナック会長)は「この先も長期にわたる下支えが期待される」と述べた。インド向けなども増えたため、アジア全体の受注額は50%増の437億円だった。
北米向けは10%増の269億円だった。航空・造船・輸送用機械に関連した受注が大きく伸びた。欧州向けは23%減の147億円だった。マイナスは7カ月連続。為替が円高に触れたことなどで投資の様子見が広がった。北米・欧州は景気や金利の動向を慎重に見極める姿勢が根強く、当面の受注は落ち着いた状況が続くという。
国内向けは9%減の357億円だった。23カ月連続のマイナスとなった。一般機械関連や自動車関連の落ち込みが響いた。中小企業は設備投資を控えており、古い機械の改造・修理で対応するケースが目立つという。
稲葉会長は「大企業や海外勢と比べ、日本の中堅・中小企業の競争力が低下し続けていると言わざるを得ない。競争力のある最新鋭の機種に更新するための政府による抜本的な政策支援による後押しが不可欠になる」と強調した。
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