日立エナジーは積極的な設備投資を続けている(変圧器試験設備)

日立製作所は24日、フィンランドに変圧器工場を新設すると発表した。1億8000万ドル(約280億円)を投じ、同国南西部のヴァーサ地域の3万平方メートルの敷地に供給拠点を設ける。同社は2027年までに世界の需要増に対応するため総額15億ドル超を投じ変圧器の製造能力を向上させる計画だ。

日立子会社で送配電事業を手掛ける日立エナジーが主体となって設備投資を続けてきた。スイスの重電大手ABBの送配電事業を取得後に米国3カ所、中国、ベトナム、ドイツで設備増強や工場新設を表明した。フィンランドの新工場は27年稼働予定で、同社の生産拠点としては中規模工場となる。

再生可能エネルギーの普及に伴う発電設備の分散によって送配電網の整備需要は急速に高まっている。日立エナジーの関連機器の受注残高は23年12月時点で4兆3000億円に積み上がっており、生産設備の増強が課題となっていた。

日立エナジーのブルーノ・メレス変圧器ビジネスユニット担当役員は「変圧器や電力設備の需要は前例のない規模で成長している。顧客の中長期の需要に対応していく」とコメントした。

日立は社会インフラ整備を中核事業と位置付ける。4月5日には子会社の日立産機システム(東京・千代田)が三菱電機の変圧器事業の一部買収を発表するなど送配電関連の事業に積極投資する姿勢を示している。

【関連記事】

  • ・三菱電機、配電用変圧器事業を日立系に譲渡
  • ・日立、ドイツの変圧器工場を拡張 48億円投資

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。