日産自動車やJRグループなどは20日、環境や地域に配慮した旅行商品を共同で開発すると発表した。電気自動車(EV)のレンタルや環境負荷が小さいアクティビティーを組み込んだツアーを展開する。旅行・観光産業は世界の二酸化炭素(CO2)排出量の1割以上を占めており、連携して排出量の削減を目指す。
日産やJR各社、旅行ガイドブック大手の地球の歩き方(東京・品川)など計14社が「GREEN JOURNEY(グリーンジャーニー)推進委員会」を設立した。旅行中に発生するCO2を削減しながら、地域課題の解決を目指すツアーを共同で開発する。
ツアーの参加者はEVのレンタカーで移動し、環境負荷の低減に取り組む宿泊施設に泊まる。JRでの往復移動はCO2排出量を相殺する「カーボンオフセット」を活用する。通常の旅行に比べてCO2を20%以上削減できるという。
第1弾として熊本県阿蘇市と三重県志摩市を目的地とした旅行商品を開発し、日本旅行が20日から予約販売を始めた。地産地消の食材を使ったグルメや地域との交流を組み込んだ。2033年までに旅先を全国200地域に広げ、個人旅行も含め延べ1000万人の利用を目指す。
旅行・観光産業ではCO2の大部分が旅行者の移動により発生している。今後、一次交通事業者や再生可能エネルギー事業者とも連携し、さらなるCO2排出量の削減を目指す。
日本旅行の小谷野悦光社長は「円安などで国内の観光需要が高まる今こそ、サステナブルな旅行のスタンダード化を図りたい」と述べた。
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