進出企業の募集について説明する仲川市長(19日、奈良市)

奈良市は19日、近鉄大和西大寺駅の北側にある市有地に進出する企業を公募すると発表した。進出した企業にオフィスビルなどを建設してもらい、その施設の一部を市が賃借して学生と企業の交流拠点を置く。産業用地や駅前のオフィスビルが少なく、20歳代の若者の市外への転出が多いという同市の課題の解決につなげる。

2024年度中に進出事業者を選んで覚書を結ぶ。対象となる市有地の敷地面積は1359平方メートルで、30年以上50年未満の事業用定期借地権方式で貸し出す。この土地の高度制限は31メートルで、最大7階建てのビルの建設が可能。本社や支社、研究機関などを誘致対象とする。大和西大寺駅は大阪や京都、奈良県中南部への交通結節拠点として利便性が高い。

奈良市が設置する産地学官連携拠点には、コワーキングスペースやシェアオフィスなどを設ける。同市には7つの大学や短期大学があり約1万6000人の学生が在籍しており交流を後押しする。県外の学校に通う学生なども呼び込む考えだ。

同駅周辺は再開発が進んでいる。今年4月には奈良商工会議所が近鉄奈良駅前から移転するなどオフィス街としての機能が高まっている。マンション建築需要なども旺盛だが、仲川げん市長は同日の記者会見で「(市有地を)売却して終わりではなく、継続的に本市の産業にプラスの影響を与える企業に立地してもらいたい」と説明した。

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