起業家イーロン・マスク氏が、自身が運営するX(旧ツイッター)の投稿で、豪州当局によるXの投稿の削除要求を批判した。マスク氏は、偽情報を流すアカウントの扱いをめぐってブラジルの最高裁からも捜査の対象にされており、各国当局との対立が広がっている。

  • 「X」悪化する偽情報汚染 広告対価が拡散動機、億単位の表示回数も

 シドニーの教会で15日、司教が説教中に男性にナイフで刺されてけがを負う事件が発生。その状況を撮影した動画がXに投稿され、有害コンテンツを取り締まる豪政府の電子安全委員会が16日、Xや米メタ(旧フェイスブック)にこの動画を世界中で削除するよう求め、メタは削除に応じたという。同委員会はXに対し、従わなければ1日あたり約78万豪ドル(約7800万円)の罰金を科すとしていた。

 アルバニージー豪首相は、豪メディアの取材に「彼は傲慢(ごうまん)だ。米国では億万長者で、豪州の法律を超越していると考えている」とマスク氏を批判。一方、マスク氏は22日のXの投稿で「(選挙で選ばれていない豪当局が)地球上のすべての国に権限を持つべきなのか」と反論した。

 マスク氏は今月、ブラジルの最高裁判所が偽情報を流すアカウントを停止する命令を出したことに反発し、停止解除を表明。米メディアによると、最高裁がマスク氏に対する捜査に踏み切っている。(サンフランシスコ=五十嵐大介)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。