大阪府豊中市は廃校となった小学校の教室を新ビジネスの支援に暫定利用する取り組みを始めた。第1弾として、社会起業家支援の民間企業、ボーダレス・ジャパン(福岡市)が障害者の雇用の場となるキノコ栽培を始めた。貸出期間は2026年12月までの2年半で、豊中市はにぎわいづくりや施設の有効活用に役立てる。
阪急宝塚線の庄内駅の近くに位置する旧野田小学校の建物を活用する。ボーダレス・ジャパンはタモギタケとヒラタケを育て、市内の小売店などで販売を始めた。教室にあったエアコンをそのまま活用し、温度を調整している。障害者も加わって一緒に作業に取り組んでいる。
同社は「エアコンが効いた部屋で、作業の身体的な負担が少ないなどの利点がある」と説明。コーヒーかすをキノコの培地として活用したり、栽培後の培地でカブトムシの幼虫を育てたりすることも検討中だ。
他の事業者も、障害者の就労支援の実証や子どもの動画撮影編集サポートといった用途での利用を計画している。豊中市には貸付料として1部屋あたり月4万2900円が入る。市は「廃校利用は全国的に取り組まれているが、暫定期間の利用や教室単位での貸し出しは珍しい」としている。
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