吉田忠雄が創業した会社があった建物(中央)=東京都内

 YKKは高品質のファスナーを製造し、70の国や地域で事業を展開している。(共同通信=川村剛史記者)

 1934年、創業者の吉田忠雄が東京でファスナー加工販売の会社を設立した。早くから高品質の商品を目指し、戦後、故郷の富山県で工場を開いた。機械化を進め、商品を一貫して自社で生産する体制を確立。当時の経済成長をけん引した繊維業と服飾業にファスナーが浸透し、生産量を大幅に増やした。

 社名は1945年に「吉田工業株式会社」とし、頭文字から取ったYKKを商標とした。1994年に社名をYKKとした。

 1959年から海外に進出すると、国内と同じ製造設備を各地で整え、商品を生産販売。高い技術に裏打ちされた商品を提供し、世界中で名声を高めた。1966年の「YZiP」は、ジーンズばきに耐える強度を実現。メーカーの製造過程に組み込んで合理化を図るなど改良を加え、人気に。「ジーンズ本場の米国で広く受け入れられる商品になりました」(広報担当者)

 近年は、端の金属部分に埋め込んだ磁石の力で、力が弱い人でも簡単に開け閉めできるファスナーなども開発している。

創業者の吉田忠雄=1962年
戦後、富山県魚津市に開いた工場
磁石の力で簡単に開け閉めできるファスナー
ジーンズ用に開発し、改良を重ねて人気を得た「YZiP」

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