▼液化天然ガス(LNG) 天然ガスを極低温で冷やし液化させたもの。火力発電所の燃料や都市ガスの原料に使う。石油や石炭より燃焼時の二酸化炭素(CO2)排出が少ないのが特徴だ。地球温暖化の対策のため、世界で需要が高まっている。

日本は1969年に世界に先駆け輸入を始め、現在もほぼ全量を輸入に頼る。価格の変動を抑えて確実に調達するため輸入量の8割を長期契約で確保している。2022年の地域別の調達先は4割がオーストラリアで、中東からも約1割を輸入した。

日本は長く最大のLNG輸入国だったが、23年の輸入量は6600万トンと中国に次ぐ世界2位だった。国が水素など脱炭素燃料の活用を模索し、企業は新たな契約を結びにくくなってきた。生産国との関係も薄れ、中東では中国が買い手として台頭してきた。国も危機感を強め、23年夏には岸田文雄首相がカタールを訪問し、LNGを含むエネルギー分野での協力強化で合意した。

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