オービックのシステム販売は中堅・大手企業中心に伸びる見込み

オービックは23日、2025年3月期の連結純利益が前期比9%増の630億円になる見通しだと発表した。13年連続で最高益となる。働き方改革の推進などで、大手企業を中心に業務システムの販売が伸びる。

売上高は10%増の1228億円、営業利益は10%増の780億円を見込む。営業利益は31年連続で最高となる。会計や人事などの販売データを一元管理できる統合基幹業務システム(ERP)「オービック7」は、比較的単価の高い中堅・大手企業向けが好調だ。新規開拓にも力を入れる。

事業別の売上高は、システム構築事業で7〜8%、クラウドなどシステムサポート事業で2ケタの増加率をそれぞれ見込む。橘昇一社長は同日の決算会見で「特許技術をからめるなど、従来の労働集約型から知識集約型へ事業を切り替えている」と説明した。その成果として「システムを標準化でき、機動的な改修をしたい中堅・大手からの需要が高まっている」と話した。

投資計画では、引き合いの強いクラウド事業関連で2〜3割ほど増やす。データセンターの確保やサーバーの補強を進める。年間配当は320円と前期から20円増やす。橘社長は「増配や自社株買い、株式分割も含めマーケットの声を聞きながら株主還元を検討していきたい」と話した。

同日発表した24年3月期の連結決算は売上高が11%増の1115億円、純利益が16%増の580億円だった。デジタルトランスフォーメーション(DX)化や業務効率化を目的としたシステム投資需要を取り込んだ。建設や流通、小売りなどの業種からの受注が堅調だった。

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