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 地方百貨店の閉店、ネット通販市場の拡大など買い物を巡る環境が大きく変化する中、「ひと」のいる店舗の価値を信じて挑戦を続ける女性がいる。小売業界を専門に、研修やコンサルティング業務を手がける「WILLSORT」(港区)の海藤美也子代表(43)。「『ひと』の介入があってこそ、『ただ買うだけ』以上の価値を提供できる」と信じ、人材育成を通じて小売りビジネスを後押しする。

「『ひと』のいる店には価値がある」と語る海藤美也子代表=港区で

 かつては「ギャルのアパレル店長」。新卒入社したクレジットカード大手で仕事にのめり込んだが、回収率に向き合う日が続くうち「自分の仕事が何につながっているのかを考えることに疲れ」、好きだったアパレル業界に飛び込んだ。

◆同僚を研究し成績伸ばす

 販売成績はビリでスタート。「週3日は売り上げ0円」だったこともあるが、好成績の同僚を研究してぐんぐん成績を上げた。新店舗の店長に抜てきされると月300万円を売り、他社からの引き抜きも経験。後に転職した販売代行会社で研修などを担ううち、「人を介して売り上げを作る『店舗』は人材育成が必須」との思いを強め、独立した。  WILLSORTは販売員向けの研修以外に、評価制度づくりや組織体制の見直しといった本部向け業務も展開する。客に「ネットで買います」と断られる時代だからこそ、「販売員の意欲維持や流出防止が不可欠だから」だ。「ネット主流で店舗の売り場面積が減れば、生き残るのは『本物』だけ。人のいる店舗を支えつつ、『良いサービス』のあり方も見直していけたらと思っている」 (高田みのり)


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