8日のニューヨーク株式市場で、主要企業でつくるダウ工業株平均が683ドル値上がりした。雇用関係の経済統計の改善を受け、景気減速への懸念が後退。投資家の間に安心感が広がり、株式が買われた。

 ダウの終値は、前日より683.04ドル(1.76%)高い3万9446.49ドルだった。ハイテク株が中心のナスダック総合指数が2.9%、米大企業を幅広く網羅する「S&P500」が2.3%と、米国の主要な株価指数はそろって大幅に上昇した。

 8日に米労働省が発表した先週分の新規失業保険申請件数は23.3万件で、前週より1.7万件改善。市場予想の24万件も下回った。先週後半には、米国の雇用情勢への不安から景気減速懸念が台頭して世界的な株安の一因となっており、こうした懸念が後退した。

 米国の利下げ見通しもやや後退し、米長期金利が上昇。日米の金利差拡大の思惑から外国為替市場では円安が進んだ。米東部時間8日午後5時(日本時間9日午前6時)時点では、前日の同時刻より59銭円安ドル高の1ドル=147円21~31銭で取引された。(ニューヨーク=真海喬生)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。