リクルートホールディングスが8日発表した2024年4〜6月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比9%増の1064億円だった。米国の求人検索サイト事業は需要が弱含むが円安が奏功し収益を伸ばした。国内で堅調な美容向けサービスも下支えした。25年3月期の通期予想は幅を持たせているが、進捗率は下限の34%に達している。

このほど発表された米雇用統計の発表後に高まった米国のリセッション(景気後退)への懸念について、荒井淳一執行役員は同日のオンライン決算説明会で「5月の想定通りの動きだ。大きく先行きが変わったとは見ていない」と述べた。今期通期の業績予想は据え置いた。純利益は前期比11%減の3150億円〜13%増の4000億円を見込む。

4〜6月期の売上収益(売上高に相当)は6%増の9015億円だった。円安が582億円の増収効果となり、為替影響を除けば売上収益は1%減った。

米求人検索サイト「インディード」を中心としたHRテクノロジー事業の売上収益は、米国の雇用情勢の悪化を背景に米ドルベースでは3%減り軟調だったが、円安効果で円ベースでは11%増えた。米国では優良な応募者と企業をマッチングするための追加課金モデルの提供などで収益の向上に取り組んでいる。

不動産サイト「SUUMO」や美容予約サイト「ホットペッパービューティー」などのメディアを含むマッチング&ソリューション事業の売上収益は2%増だった。新たな顧客の開拓で美容が伸びたほか、インバウンド(訪日外国人)による宿泊単価の上昇で旅行サイトも好調だった。

人材派遣事業は日本が好調だった。欧州や米国、オーストラリアは鈍化したが、為替影響でプラスに転じた。

全体の調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は1790億円と8%増えた。HRテクノロジーの調整後EBITDAは2%増の1002億円。5月にインディードの従業員約1000人(全体の約8%に相当)の削減計画を発表したのに伴い8748万ドル(約130億円)の損失を計上したが、為替差益などで吸収して最終増益を確保した。

リクルートHDは7月、6000億円を上限とする自社株買いを発表した。荒井氏は同日、NTTデータが売却した分を今回の自社株買いで取得したことを明らかにした。NTTデータによる売却額は約790億円分だったという。

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