東京都中央区の日銀本店

 日銀が7月30、31日に開いた金融政策決定会合で、2025年度後半に2%の物価安定目標の実現を前提として「急ピッチの利上げを避けるためには、適時かつ段階的に利上げしていく必要がある」との意見が政策委員から出ていたことが8日、分かった。会合で決めた追加利上げの判断については「金融緩和の度合いを調整することが適切だ」といった前向きな意見が相次いでいた。

 日銀が政策委員の「主な意見」を公表した。日銀は7月会合で政策金利を0~0.1%程度から0.25%程度に引き上げた。外国為替市場では円高ドル安が進んだほか、会合直後に米国の景気後退の懸念が高まったことが重なり、日経平均株価が乱高下した。

 7月会合では、個人消費の弱さを懸念する向きもあり「次回会合で重要な経済データを点検して変更を判断すべきだ」と利上げに反対する委員もいた。

 植田和男総裁は7月会合後の記者会見で、利上げは小幅で「景気に大きなマイナスの影響は与えない」と説明。年内にさらに利上げする可能性を排除していなかった。

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