【ニューヨーク=西邨紘子】米ヘルスケア大手CVSヘルスが7日発表した4〜6月期の決算は、売上高が前年同期比3%増の912億3400万ドル(約13兆4000億円)、純利益が同7%減の17億7000万ドルだった。高齢者向け医療保険事業で医療費の払い戻し負担が膨らみ、収益が悪化した。
特殊要因調整後の1株利益は1.83ドルと前年同期(2.21ドル)から大幅に減少した。
高齢者向け医療保険を手掛ける「ヘルスケアベネフィット」部門は、加入者が増え売り上げが約2割増えた。一方で「加入者の医療サービス利用が高水準となった」(同社)ことで払い戻しの負担も膨らみ、部門利益(調整後)が39%減と落ち込んだ。「薬局・消費者」部門でも処方薬の利幅が縮小し、部門利益が12%減った。
2024年12月通期の業績見通しは1株利益(特殊要因調整後)で6.40〜6.65ドルとし、「少なくとも7.00ドル」とした前回予想から引き下げた。
カレン・リンチ最高経営責任者(CEO)は決算説明で、医療保険事業について「業績と見通しに失望している」とコメントした。同事業部門のトップを解任し、自ら立て直しを監督する。
20億ドル規模のコスト削減計画も発表した。効率化への取り組みの一例として、カスタマーサービスへの人工知能(AI)導入拡大を挙げた。
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