今週の東京株式市場は、日銀の追加の利上げや植田総裁が会見でさらなる利上げの可能性に言及したことをきっかけに不安定な動きとなり、5日には日経平均株価が過去最大の下落に、その翌日の6日には過去最大の上昇となるなど、かつてない乱高下に見舞われました。

7日も大幅な値下がりで取り引きが始まりましたが、日銀の内田副総裁が講演で「金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはない」と述べたことをきっかけに、一気に1000円を超える上昇に転じたほか、外国為替市場でも円が売られ、円安方向に進みました。

三井住友信託銀行の島津大輔情報調査チーム長は「段階的に日銀が利上げをしていくと思われていたが、マーケットの環境を見ながら柔軟に考えるというメッセージが出されたので、円高方向への動きはやや一服したと思う。株式市場にとっても非常にポジティブな発言で、安心感が出たと思う」と指摘しています。

日銀幹部の発言で、株価や円相場の乱高下が続く状況にひとまず歯止めがかかった形です。

一方、8日は、日銀が追加の利上げを決めた7月の金融政策決定会合の「主な意見」が公表されます。

波乱のきっかけとなった会合でもあり、政策委員の具体的な発言内容に市場は注目しています。

こうした当局の公表資料への反応も含め、市場が落ち着きを取り戻せるかが焦点です。

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