CO2回収技術 排ガスや大気などから、二酸化炭素(CO2)を分離して回収する技術のこと。回収したCO2を産業ガスなどとして有効利用したり、地中に埋めて隔離したりする技術と合わせてCCUS(CO2の回収・利用・貯留)と呼ばれる。地球温暖化対策の中核技術の一つとして世界で研究が進む。

分離・回収手法は主に4つある。「化学吸収法」は、CO2を吸収する機能を持つ化学物質「アミン」の溶液を使う。「物理吸収法」は特殊な固体などにCO2を吸着する。このほか分離膜を使った「膜分離法」や、CO2を冷却してドライアイスにすることで回収する「深冷分離法」がある。

化学吸収法は溶液からCO2を分離するのに高熱が必要で燃料費がかかる。物理吸収法はCO2の吸着や分離にエネルギーが必要という課題がある。深冷分離法は最も設備コストが高く多量のエネルギーが必要となる。経済産業省によると、CO2を1トン回収するのに必要なコストは、化学吸収法は4200円、物理吸収法は2000円に対し、膜分離法は1500円としている。

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