ニデックと創業者の永守重信氏が、ウェブ上の記事で名誉を傷つけられたとして、東洋経済新報社と執筆した記者らに計2200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は6日、記事の内容は真実ではないとして、東洋経済側に記事の削除と計605万円の支払いを命じた。

判決によると、東洋経済は2022年10月、永守氏が未公表の重要事実を知りながら自社株買いを指示していたインサイダー取引の疑いがあるという記事をウェブ上に掲載した。

荒谷謙介裁判長は、永守氏にインサイダー取引に当たる行為はなかったと認定。「記事の作成に当たり法令の規制などを正確に理解していたとは評価できない」と指摘し、ニデック社に330万円、永守氏に275万円の賠償を認めた。

東洋経済側は関係者への取材や内部資料を入手して真実と信じる理由はあったと主張したが、記者が具体的にインサイダー取引に当たる事例を把握していなかったとして退けた。

東洋経済新報社は「主張が認められなかったのは大変遺憾。直ちに控訴の手続きを行い、当社の正当性を主張していく」とコメントした。〔共同〕

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