キヤノンは6日、最大1000億円の自社株買いを実施すると発表した。発行済み株式総数(自己株式を除く)の3.3%に当たる3200万株を上限に買い付ける。取得期間は8月7日から10月31日まで。好調な業績を受けて株主還元の充実と資本効率向上を狙う。
取得した自社株の扱いについては未定としている。同社は1月にも最大1000億円の自社株買いを発表し、2〜6月にほぼ上限まで買い入れた。24年12月期は累計で約2000億円の自社株買いを行うことになる。
背景にあるのが業績の拡大だ。24年12月期の連結純利益(米国会計基準)は前期比27%増の3350億円と17年ぶりの高水準を見込む。商業印刷機や半導体製造装置などが伸びるほか、為替の円安が追い風となる。
キヤノンは株主還元の方針として「配当性向で50%をメド」としている。24年12月期の年間配当予想は前期比10円増の150円で、配当性向は43%となる見込み。7月25日に開いた24年1〜6月期の決算説明会では「自社株買いなどの選択肢も考慮しながら株主還元政策を決めていく」(キヤノン)との方針を示していた。
資本効率を高める狙いもある。キヤノンは現中期経営計画の最終年度となる25年12月期の自己資本利益率(ROE)を10%以上とする目標を掲げている。24年12月期は9.7%の見通し。利益の増加に加えて自己資本を抑えることで資本効率を引き上げ、企業価値の向上につなげる。
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