百貨店を訪れるファミリーやシニア向けに資産の管理や承継を支援するサービスを提供する(東京都新宿区の伊勢丹新宿本店)

三越伊勢丹ホールディングス(HD)は6日、子会社を通じ、資産を親が子に委託して運用や管理をする「家族信託」のサービスを手掛けるファミトラ(東京・港)に出資したと発表した。百貨店を訪れるシニア層に的を絞り、資産管理を支援するサービスを提供する。

コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)の三越伊勢丹イノベーションズ(同・新宿)が出資した。出資額は非開示。

家族信託は親が健康なうちに子に資産を信託する仕組みだ。認知症による資産凍結や相続問題などのリスクを抑えられる。ファミトラは家族信託に必要な手続きなどをデジタル上で管理するシステムを開発しており、費用や時間の低減につながる。

百貨店の顧客は高齢化が進んでいて、家族信託サービスの需要が見込める。J・フロントリテイリングも1月、CVCを通じ、同サービスを手掛けるトリニティ・テクノロジー(同・港)に出資した。

三越伊勢丹イノベーションズは2016年に設立し、これまでマネーフォワードや電子ギフト事業のギフティなど8社に投資した。

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