回覧板の原料として大王製紙のCNF複合樹脂が初めて実用化された

大王製紙は23日、地域住民が使う回覧板のバインダーに植物由来の新素材「セルロースナノファイバー(CNF)」を含んだ複合樹脂が採用されたと発表した。同社のCNF複合樹脂が実用化されたのは初めて。力を加えても変形しにくく回覧板の厚さを抑えたのが特徴で、プラスチックの使用量を従来製品に比べ約20%削減した。

CNF複合樹脂「ELLEX-R67」を使用して作ったバインダーを愛媛県四国中央市が採用した。同樹脂は2022年にサンプル供給を始めた。素材に占めるCNFの含有割合が67%と高濃度で、顧客は自由に薄めて製品設計しやすい利点がある。今後は自動車や家電などで用途開発を進める。

回覧板バインダーは四国中央市の発足20周年を記念して製作され、7月から市民が利用する見通し。5月に開催予定の記念式典でも参加者に配布する予定。

【関連記事】

  • ・王子HD、燃料電池の膜素材にCNF 環境負荷を低減
  • ・大王製紙、基幹の三島工場を筋肉質に おむつ原料を内製

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。