▼フードテック バイオやデジタルといったテクノロジーを活用し、食の課題解決につなげる技術。牛や鶏などの細胞を増やす培養肉、遺伝子を効率よく改変して素早く新品種を開発するゲノム編集などが代表的だ。地球規模の人口増や気候変動による不作・不漁から生じる食料難リスクと農畜産業がもたらす環境負荷の低減が期待される。
ゲノム編集食品については国が流通・販売の届け出制度を作った。一方、培養肉をはじめとする細胞性食品と呼ばれる分野などのルールは未整備で、国内で販売できない。農林水産省が立ち上げたフードテック官民協議会はルールの必要性などを記したロードマップを公表し、官民で安全確保や表示のあり方の検討が進む。
海外は先を行く。制度を整備済みのシンガポールや米国は培養肉の販売で先行し、イスラエルもルールを作り認可した。細胞性食品などのフードテック企業はこれらの国・地域に集結する。三菱総合研究所は昆虫飼料なども含む世界市場が2050年に20年比12倍の約280兆円に成長すると試算する。ルール整備は企業が安心して研究開発に臨む条件となる。
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