東京株式市場で株価が暴落し、1月に始まった新たな少額投資非課税制度(NISA)をきっかけに参入した投資初心者に動揺が広がっている。投資のプロは「長期、積み立て」を訴え、冷静な対応を呼び掛ける。さらなる株安への懸念がくすぶる中、資産形成を継続できるか。新規参入組は試練に立たされている。
2日の日経平均株価の下げ幅は、米国など世界的な株価大暴落「ブラックマンデー」の影響を受けた1987年以来2番目の大きさとなった。インターネット証券大手のコールセンターには同日、問い合わせの電話が殺到。株価急落で損失が膨らみ、「運用内容を変えるべきか」などの質問が相次いだ。別のネット証券でも「相場の回復はいつになるのか」と不安を訴える声が多く寄せられた。
日本証券業協会によると、証券大手10社(対面とネット)のNISA口座は6月末時点で計1520万口座と前年同時期に比べ3割も増えた。新NISAが始まって以降、日経平均は上昇基調を保ち、7月11日には史上最高値の4万2224円を達成した。約3週間で6300円超(約15%)も値下がりしており、投資初心者ならずとも先行きへの不安が募る。
ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは「長期の資産形成では相場悪化局面を乗り越え、運用を続ける覚悟が必要」と指摘する。その上で「老後資金のためにNISAを活用し始めた人なら、日々の相場に気を取られ過ぎる必要はない。数十年先の日経平均は4万円より高いと考え運用を続けてほしい」と助言している。
前日比2216円63銭安を示す日経平均株価のモニタ=2日午後、東京都中央区
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