小湊鉄道ルームでは、車両に使われた網棚(右奥)やつり革も備え付けてある=木更津市の龍宮城スパホテル三日月で

 龍宮城スパホテル三日月(千葉県木更津市)に7月、電車やバスを備えた宿泊施設「三日月龍宮城駅」がオープンした。客室の一部を改装し、車両部品などを飾った5部屋を用意。同ホテルは小湊鉄道、いすみ鉄道、銚子電鉄とのコラボレーションで「千葉ぽっぽやだぉ~ ちばのチカラ大集合」と銘打ち、「お子さんから大人までわくわくする魅力が詰まった」とアピールする。

いすみ鉄道ルームは、客室の壁に立体的な車両の装飾が広がる=龍宮城スパホテル三日月で

◆処分予定だった車両を移設展示

 同駅は、ホテルのガーデンエリアに設置。いすみ鉄道から処分予定だった車両を移設展示した。車両の前の道路には、小湊鉄道バスが2台あり、車内に入れる。  ホテル3階客室の一部を改装した「鉄道3社合同ルーム」は、3社の車両フェース(前面)の模型が並ぶ。「電車でGO」ブースを設置。ベッド3台と寝台列車風2段ベッドもあり、8人まで利用できる。  他の鉄道ルームのうち、「小湊鉄道」は、運転席ブースに網棚、つり革も取り付け、沿線のイラストマップなどで鉄道の旅をイメージ。「いすみ鉄道」は、壁いっぱいの立体的な車両フェースが特徴。「銚子鉄道」は、「大正ロマン電車」をモチーフにしてレトロな雰囲気を出している。「小湊バスルーム」は、バスの運転席を再現した。

銚子鉄道ルームは、運転席ブースと一体となった2段ベッドが特徴=龍宮城スパホテル三日月で

◆「コロナ禍で最も苦しんだ」交通×観光コラボ

 料金は1泊2食付きで、大人2人1室利用時2万5300円から。同ホテル公式サイトから予約できる。7月12日に記念式典があり、ホテル三日月グループの小高芳宗代表は「コロナ禍で最も苦しんだのが今回コラボした交通と観光だった」と思い入れを語った。小湊鉄道の石川晋平社長は「公共交通は日頃、目立つ側ではないが、千葉の玄関口・木更津でそうした陰にスポットを当ててくれた。走らなくなったうちのバスも置いて子どもたちが楽しめる。一緒に地元を盛り上げたい」と話した。  鉄道3社合同ルームの開設に合わせ、ホテル6階には千葉ロッテマリーンズとコラボした「マリーンズルーム」もオープン。ホームとビジターの2部屋があり、選手のサイン入りユニホーム、同ボールなどを飾った。(山本哲正) 

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