2日の東京株式市場では、日経平均株価が史上2番目の下げ幅となり、株価は2日間連続で大幅に下落しました。株式市場で何が起きているのでしょうか。Q&A形式でまとめました。(白山泉)

前日比2200円超下落した日経平均株価の終値を示すモニター

◆円高をきっかけに…

 Q なぜ株価が大幅に下落したのでしょう。  A 日本銀行の追加利上げを受けて進んだ円高と米国株の下落が影響しています。外国為替市場では1日に1ドル=148円台まで円高が進行。海外で展開する企業などは業績が悪化するとみられ、売りが広がりました。  さらに米国では製造業の経済指標が市場の予想よりも弱かったことで景気減速の不安が広がり、1日のダウ平均株価は前日比1.2%安となったことも追い打ちを掛けました。みずほ証券の三浦豊氏は米国の株安の影響について「米国株に連動しやすい半導体など日本のハイテク株などが安くなった」と話します。

◆1ドル=140円になると…

 Q この先、株価はどうなるのでしょう。  A 野村総合研究所の木内登英氏は、年明けからの日本の株価上昇は「円安にけん引されてきた」として、年末に1ドル=140~145円まで円高が進んだ場合、日経平均は3万4000~3万6000円まで下がる可能性があるといいます。「米国経済がさらに悪化する懸念が強まれば、米国株と日本株の不安定な動きは続く」と予想しています。  Q 新少額投資非課税制度(NISA)を利用している人はどうしたらよいでしょうか。  A 円高ドル安や米国株の下落で「S&P500」など米国株に連動した投資信託は基準価額が下がっています。ただ、三浦氏は「まださらに下がるかもしれないが、5~10年のスパンで見れば米国株は上がる」と言います。日々の市況に一喜一憂せず、余裕のある資金で定額を淡々と買い続けることが重要だと説きます。日本株に連動する投資信託も同様です。  ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏は「『また株価は戻る』ととらえて今の下落している状況に耐えられる人は投資に向いている」と長期的な投資の心得を説いています。 

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