名古屋市内の主要百貨店4社5店が1日発表した7月の売上高(速報値)は、前年同月比6%増の402億円だった。平均最高気温が平年に比べ2.8度高く、夏物の寝具が好調だったほか、インバウンド(訪日外国人)客の需要で高級ブランドが伸びた。一方、各社は「(高水準の)夏のボーナスや定額減税の効果は限定的だった」としている。
JR名古屋高島屋は14%増の176億円だった。暑さの影響で涼感寝具が売れ、寝具は前年同月比20%、布団は同30%伸びた。冬場の人気を受け、新たに夏も実施した洋菓子の催事も売り上げをけん引した。松坂屋名古屋店は2%増の120億円で、インバウンドや外商向けの店外催事などが底上げした。
名古屋三越の栄店では旅行需要の回復でスーツケースなどの旅行用品が伸長した。星ケ丘店は3カ月ぶりの前年割れだった。名鉄百貨店本店は全体として微増だったが、1月に閉鎖した一宮店で中元を購入していた客が流入し、中元の売り上げが15%増えた。
ただ、物価高騰もあってか、夏のボーナス上昇の恩恵を受けたとする声はほとんど聞かれない。ある百貨店の担当者は「一昔前は(高水準の)ボーナスが出た後の売り上げ上昇は顕著だった。倹約志向が続くのではないか」と話す。
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