羽田発着の貨物専用機が就航した(1日未明、東京都大田区の羽田空港)

ヤマトホールディングス(HD)と日本航空(JAL)は1日、羽田空港で発着する貨物専用機「フレイター」を運航し始めた。ヤマトHDの宅配サービス「宅急便」に加え、半導体や生鮮品を国内で運ぶ。ドライバー不足により輸送力が低下する「2024年問題」の影響が広がるなか、トラックなど長距離輸送の代替手段とする。

1日午前3時、新千歳空港で荷物を載せた貨物専用機が羽田空港に到着した。同日以降、羽田―新千歳・北九州の各空港間を早朝・深夜帯に1日2便(1往復)ずつ結ぶ。運航はJALグループの格安航空会社(LCC)、スプリング・ジャパンが手がける。

航空輸送には欧州エアバスの小型貨物機「A321-200P2F」をリース契約で使う。1機あたりの最大搭載重量は28トンで、10トントラック5〜6台分に相当する。機内の床にはレールを取り付け、荷物の積み下ろし作業をしやすくした。

フレイターは4月に国内で就航した。これまで成田―新千歳・北九州・那覇と那覇―北九州で1日9便を運航しており、羽田発着が8月に加わり13便体制となった。

これまで事実上制限のなかったトラック運転手の時間外労働は、4月から年960時間が上限となった。担い手の高齢化もあり物流の人手不足が深刻となる一方、電子商取引(EC)需要の拡大を受けて国内の荷物量は今後も増え続けると見込まれる。

ヤマト運輸の鈴木達也・貨物航空輸送オペレーション設計部長は1日の報道公開で「急ぎの荷物を長距離区間で運ぶことが難しくなるなか、安定した輸送を維持するための一つの手段になる」と言及。そのうえで同日に6〜7割だったフレイターの積載効率についても「段階的に増便しながら採算性を高めていきたい」と話した。

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