▼短期プライムレート 銀行などが信用力のある企業に対して適用する期間1年未満の短期貸し出しの最優遇貸出金利をさす。大手銀行などでは個人が借りる変動型の住宅ローン金利の指標にも採用している。水準は市場金利を参考に決定しており、日銀が政策金利をゼロやマイナスに設定していたことを反映して横ばいが続いてきた。

変動型住宅ローンの適用金利は多くの場合、優良企業向け貸出金利である短プラに一定幅を上乗せした基準金利から、他行との競争や顧客の信用度なども考慮して設定される「優遇幅」を差し引くことで決めている。短プラの上昇を踏まえ変動型の住宅ローンの借り手には順次、返済額の増加などの影響が出る。

企業向けの貸し出しを巡っては、大手行では東京銀行間取引金利(TIBOR)など市場金利に一定の利ざや(スプレッド)を上乗せする仕組みの「スプレッド貸し」と呼ぶ金利決定の手法が主流だ。地銀による中堅・中小企業向け融資では短プラを採用する事例も根強く残っており、返済負担が増加する可能性もある。

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