住友ファーマは米国ではすでに1000人規模の人員削減を実施している(大阪市中央区の大阪本社)

住友ファーマは31日、国内社員を対象に早期退職を募ると発表した。対象となるのは2024年11月30日時点で勤続年数が5年以上の40歳以上の従業員。募集人数は約700人で、国内社員数の約2割に相当する。同社は米国で主力の統合失調症薬が特許切れとなり、業績が悪化している。研究開発体制を縮小するなど経営のスリム化を急ぐ。

24年9月17日〜10月11日に募集し、退職金は通常の金額に特別退職金を加算して支給する。希望者には再就職支援も実施する。同社の24年3月期の連結最終損益(国際会計基準)は3149億円の赤字だった。745億円の赤字だった前の期に続いて、2期連続の最終赤字だった。

23年2月に主力製品だった統合失調症薬「ラツーダ」の米国での特許が切れ、業績が悪化した。25年3月期の最終損益も160億円の赤字を見込む。今回の早期退職募集に伴い発生する特別退職金などの費用は25年3月期に計上する。同社は「業績見通しへの影響については確定し次第公表する」としている。

住友ファーマはすでに米国では人員削減を実施しており、24年3月までの1年間で約2200人いた社員を約1200人まで減らした。今回、日本でも人員削減に踏み切る。研究開発費を絞り、次の成長エンジンと位置づける再生・細胞医薬事業などに経営資源を集中させる。

【関連記事】

  • ・住友ファーマ、白血病治療候補薬 米国で優先審査指定
  • ・住友ファーマ新社長「国内の人員削減、24年度にも」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。