資生堂は30日、藤原憲太郎社長最高執行責任者(COO)が2025年1月1日付で社長最高経営責任者(CEO)に就任すると発表した。魚谷雅彦会長CEOは24年12月31日付で退任し、翌1月からグループのシニアアドバイザーとして経営陣への助言や人材育成の支援に取り組む。
魚谷氏は25年3月下旬に予定する定時株主総会で取締役を退任し、アドバイザー専任となる見込み。
魚谷氏は日本経済新聞のインタビューで24年12月期でCEOを退任する意向を明らかにしていた。あわせて後任には23年1月からCOOを務める藤原氏がふさわしいとの認識を示していた。
魚谷氏は日本コカ・コーラの社長などを経て、14年に社内での役員経験のない外部出身者として初めて資生堂の社長に就任した。
日本コカ・コーラ時代に「爽健美茶」をヒットさせるなどしたマーケティングの手腕を生かし、資生堂では高価格帯の化粧品の海外展開を進めた。19年12月期には連結ベースの売上高と営業利益がともに過去最高となった。
化粧品需要が落ち込んだ新型コロナウイルス禍以降は業績が低迷した。20年12月期の最終損益は116億円の赤字に陥り、23年12月期の純利益(国際会計基準)も前の期比で4割近いマイナスと2期連続の減益に沈んだ。
21年には「TSUBAKI」などで知られる日用品事業を投資ファンドに売却した。その後も、香水の販売権やブランドを手放した。24年12月期には国内従業員の1割にあたる約1500人の早期退職を募り、構造改革を進めた。
【関連記事】
- ・資生堂の魚谷雅彦氏「24年でCEO退任」 構造改革に注力
- ・資生堂、国内で早期退職1500人募集 社員の1割強に相当
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。