日本鉄鋼連盟が22日発表した2023年度の粗鋼生産量は前年度比1.1%減の8683万トンとなり、2年連続で減少した。半導体不足の解消で自動車の生産は回復傾向にあったが、ダイハツ工業の認証不正拡大などで生産・出荷が減少し、鉄の需要にブレーキがかかった。生産量が1億トンを割り込むのは5年連続。
自動車向けは需要のけん引役を果たしていたが、年度後半に入り、ダイハツの認証不正拡大などで「状況が変わった」(鉄連)という。建設向けでも、人手不足に伴う工事の遅れなどが足かせとなった。
3月の生産量も前年同月比3.9%減の720万トンとなり、4カ月ぶりに減少に転じた。鉄鉱石を溶かしてつくる転炉鋼の生産減が響いた。
イスラエルによるイランへの報復攻撃で中東情勢は緊迫の度合いを増しており、資源価格のさらなる高騰につながるリスクもある。鉄連は「良い影響がないことは間違いない」と指摘した。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。