「ピクトレ」は参加者に電柱の写真を撮ってもらい、異常の早期発見を目指す

東京電力パワーグリッドなどは25日、遊ぶことでインフラの点検につながる社会貢献型ゲームの実証実験を東京都内で実施すると発表した。7月26日から11月にかけて千代田区、中央区、港区で行う。インフラの老朽化や保守点検にあたる人材不足が深刻になる中、ゲームを通じて効率化することを目指す。

ゲームのアプリ名は「PicTrée(ピクトレ)〜ぼくとわたしの電柱合戦〜」。シンガポールを本拠地とするデジタル・エンターテインメント・アセット(DEA)とグリーンウェイ・グリッド・グローバル(GGG)、東京電力パワーグリッドが手掛ける。ゲーム参加者は電柱などの写真を撮影することで、獲得ポイントに応じたアマゾンギフト券などが得られる。

4月から前橋市で先行して実証実験をしたところ、約2カ月半で1万9800枚を超える写真が寄せられた。GGGの鬼頭和希氏は「想定よりも多く集まった。東電のエンジニアが撮影の角度を指定しており、写真もかなりの精度」と手応えを語る。カラスの巣やツタなどがついた電柱が複数見つかり、将来トラブルにつながりかねないとして対処した。

今回実証実験をする3区には計約1万2000の電柱があるという。実証実験では重点的にみてほしい電柱などに「撮影ミッション」を出すことで早期点検につなげる。いち早く撮影した参加者に報酬を出し、点検効率を上げる。

ピクトレをめぐってはゲーム内容が酷似しているとして、ゲームアプリを手掛けるホール・アース・ファウンデーション(シンガポール)が提訴を検討していると報じられた。GGGなど3社は「現時点で提訴に関する連絡は来ていない」と説明した。

【関連記事】

  • ・東電パワーグリッドやKDDI、ゲームで老朽インフラ点検
  • ・スマホゲームで電柱撮影、点検に活用 東電系が前橋市で

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。