川崎汽船は11日、伊藤忠商事など6社でアンモニアを燃料とする商用船を共同開発すると発表した。二酸化炭素(CO2)を排出しない次世代燃料として注目が集まるアンモニア船の実用化に向けて、各社の強みを持ち寄り早期の開発につなげる。
10日付で6社間の覚書を結んだ。参画するのは2社のほか、三井E&Sと日本製鉄系のNSユナイテッド海運、日本シップヤードと独フォルクスワーゲン(VW)傘下の船舶用エンジンメーカー、MANエナジー・ソリューションズを加えた計6社。
2028年までの早期にアンモニア燃料船の実用化を目指す新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援事業の一環として取り組む。
MANが開発中のアンモニアを燃料とするエンジンを搭載した載貨重量20万トン級の大型ばら積み船を、日本シップヤードが建造することを前提とする。三井E&Sがエンジンの製造や周辺システムを設計。川崎汽船とNSユナイテッド海運が船の運航管理やデータ収集を担い、伊藤忠はアンモニア燃料の供給に関する情報を共有する。
アンモニアは燃焼させてもCO2を排出しない「ゼロ・エミッション燃料」として世界的な期待を集める。その一方で毒性があるため、アンモニアの生産から港湾への輸送、船への供給といった安全なサプライチェーン(供給網)の構築が重要になっている。
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