旧ビッグモーターの大型看板の撤去工事=19日、東京都多摩市
中古車販売大手ビッグモーター(BM)の保険金不正請求を巡り、旧BMから訴訟対応などを引き継いだ「BALM(バーム)」が、不正の有無に関する全件調査を断念すると損害保険各社に通知していたことが22日、分かった。当事者が調査を事実上放棄した形。現時点で少なくとも約6万6千件に上る不正の全容解明が遠のくことになりそうだ。 バーム側の人員などの態勢不備が原因とみられ、被害の確定を裁判所の調停に求める方針という。 不正の調査は、事故車両の修理を旧BMにあっせんしていた損保大手4社とバームがそれぞれ実施。損保側は過去数年分の契約、4社で計約23万6千件を調査対象としている。 損保側が現時点で「不正があった」と判断したのは計6万6千件余りに上る一方、旧BM側の確認を経て被害を確定できたのはそのうちの約1700件にとどまる。旧BM側は「受け身の対応に終始してきた」(損保関係者)のが実態だったとみられる。 こうした中、バームは7月中旬に、今後は裁判所の調停に委ねたいとの趣旨の通知を送付してきたという。
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