グッドイヤーの鉱山タイヤ事業の買収で、横浜ゴムの同分野の世界シェアは3位になる見通し

横浜ゴムは米タイヤ大手グッドイヤーが手掛ける鉱山・建設機械向けのタイヤ事業を買収すると発表した。買収額は9億ドル(約1400億円)。乗用車向けのタイヤは中韓勢との競争が激しくなっており、鉱山向けなどの産業用途で収益源を広げる。

グッドイヤーの2023年の鉱山用タイヤ売上高は6億7800万ドルだった。今回の買収により横浜ゴムの鉱山分野の世界シェアはブリヂストンや仏ミシュランに次ぐ3番手に躍り出る。グッドイヤーは財務体質の改善に向け、23年末にオフロードタイヤなどの分野で事業再編を検討する方針を発表していた。

横浜ゴムは売上高でブリヂストン、住友ゴム工業に次ぐ国内3位。足元では特に乗用車向けのタイヤで中韓勢との安値競争が激しさを増している。

同社は利幅が大きい成長分野として乗用車以外の分野に手を広げている。16年にはオランダの農機タイヤメーカー、アライアンス・タイヤ・グループ(ATG)を約1300億円で、23年には農機用タイヤなどを手掛けるスウェーデンのトレルボルグ・ホイール・システムズ(TWS)を約2700億円でそれぞれ買収し、農機向けタイヤで世界首位のシェアを占めている。

26年12月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画で、高付加価値で利益が見込める分野をM&A(合併・買収)で拡大する方針を示している。

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