三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は19日、傘下の銀行と証券2社が顧客企業の情報を違法に共有した問題を受け、亀沢宏規社長ら経営陣を報酬減額の処分にすると発表した。退職した元幹部には報酬の自主返納を求めた。一連の問題での処分対象は計10人に上った。

 金融庁などによると、三菱UFJ銀行と三菱UFJモルガン・スタンレー証券、モルガン・スタンレーMUFG証券の3社は2021~23年、非公開情報を顧客企業の意に反して共有するなどしていた。金融庁は6月に3社に対して業務改善命令を出し、3社はこの日、金融庁に業務改善計画を提出した。

 経営陣の処分では、三菱UFJ銀の半沢淳一頭取と、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の小林真社長に対して、それぞれ月額報酬の30%を3カ月減額する。MUFGは行政処分の対象とはならなかったが、管理監督責任があると判断し、亀沢社長に同様の減額処分を出した。

 当時の三菱UFJ銀頭取で、不適切な情報共有の可能性を認識しながら対策を講じなかったとされる三毛兼承MUFG会長については、月額報酬の30%を5カ月減額するとした。

 再発防止策として、今後、事例や実態に即した手続きをルール化する。また、人工知能(AI)を活用したモニタリング体制も強化する。(山本恭介)

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