高級すし店「銀座おのでら」を展開するONODERAフードサービス(東京・千代田)は19日、ウナギ専門店を東京・赤坂に開業する。ミシュランガイドの星付き店の料理人が監修し、そろえるメニューは980円からと手ごろな価格で国産ウナギを提供するのが特徴だ。赤坂に1号店を出した後、都内の主要地域への拡大や海外展開も視野に入れる。
開業するウナギ店の名称は「薪焼うなぎ 銀座おのでら本店」。メニューの最低価格は980円に設定して消費者に値ごろ感を演出する。昼は「国産うな玉丼」、夜は「同ミニうな丼」が980円のメニューだ。
「国産うな丼」(1500円)や「同うな重 並」(2200円)を標準メニューとする。一番高いメニューは「同うな重 特上」(4400円)だ。ウナギの大きさに合わせて価格に段階を付けた。
国産ウナギの養殖から加工までを一貫して行う山田水産(大分県佐伯市)の手掛けるウナギを使う。ミシュランの1つ星を獲得した、銀座にあるグループのフランス料理店の料理長が店を監修。まきでいぶすことでウナギに香りを付けるといった工夫を施す。まきであぶった枝豆(350円)やからすみを使ったそば(700円)などのサイドメニューも用意した。
価格を抑えるための低コスト運営の仕組みを整えたのも特徴だ。ウナギの調理には経験を積んだ職人が必要だったり、焼くなどの調理自体に時間がかかったりするのが一般的だが、それらを簡素化する。
同店ではウナギを白焼きの状態で入荷し、店頭では焼くのと味付けの2つの作業に集約した。来店客には注文を原則、QRコードでしてもらう。セルフレジなども導入した。
手ごろな価格で食べられるウナギ専門店は物価高などの影響もあって人気が高まっている。飲食など向けのコンサルティング事業を手掛ける、フランチャイズビジネスインキュベーション(東京・港)が運営するウナギ店「鰻の成瀬」は、2022年に横浜で1号店を開いてから、現時点で国内外200店以上を展開し急成長している。メニューを絞り込むなどの低コスト運営が強みだ。
銀座おのでらはすしや鉄板焼きなどを国内外に18店舗展開している。5月には東京・表参道でラーメン店も始めた。伝統的な日本食やラーメンなどを武器に海外市場の開拓にも積極的な姿勢を見せている。
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