建設中のラピダスの工場では製造開始後に安平川からの取水を予定している(11日、北海道千歳市)

北海道は16日、苫小牧市を流れる安平川から工業用水を取水する苫小牧地区工業用水道第二施設(同市)で実施した水質検査で、発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)が検出されたと発表した。同施設は最先端半導体の製造を目指すラピダスに対して2026年から工業用水の供給を予定している。

国内では工業用水に関する基準値はなく、道は「利用に支障はない」としている。同施設から取水する企業は現在24社ある。飲用では、PFASの一種であるPFOAとPFOSの合計で1リットルあたり50ナノグラム以下が暫定目標値とされている。今回の調査では取水前の原水で59ナノグラム、浄水から61ナノグラムが検出された。

結果を踏まえ、道は今回の検査地点より上流部での調査を立地自治体の安平町に要請した。道の実施分を含め11カ所で追加調査し、原因究明を進める。安平川上流域では飲用向けの取水もされている。

道が管理する石狩や室蘭などのすべての工業用水道施設計4カ所で初めてPFASに関する水質検査を実施した。石狩湾新港地域では3ナノグラムが検出された。室蘭と苫小牧の第一施設では測定できる下限値以下だった。

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