太平洋クロマグロの資源管理を話し合う中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)などは16日、資源量の回復を受け、30キログラム以上の大型魚の2025年以降の日本の年間漁獲枠を現行の1.5倍に拡大することで合意した。年末に開く年次会合で正式決定する。実現すれば、3年ぶりの上限引き上げとなる。

会議は10日から北海道釧路市で開かれていた。最終日の16日に合意に達した。

WCPFCは日本や韓国、米国、中国に島しょ国などを交えた26カ国・地域が参加している。太平洋クロマグロは過去に日本の乱獲などで数が激減し、15年に国際的な漁獲規制を導入して保護してきた。

現行の漁獲枠は大型魚が全体で年7609トン、30キロ未満の小型魚が4725トンとなっている。このうち日本は大型魚の上限が5614トン、小型魚が4007トンに制限されている。小型魚の日本の漁獲枠も今回、1.1倍に広げることで合意した。

国際機関の北太平洋まぐろ類国際科学委員会(ISC)の最新推計によると、太平洋クロマグロの親魚の資源量は22年に14万4000トンに上った。最も落ち込んでいた10年の1万2000トンの12倍に増加した。

日本は資源量が回復しているとして、大型魚の漁獲枠を現行の2.3倍に、小型魚を1.3倍に広げるよう提案していた。

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