発電設備などを手がける米GEベルノバは11日、日本の電力市場の将来予測をまとめ、公表した。再生可能エネルギーの導入や原子力発電所の再稼働が進むことで、再生エネの稼働を一時的に抑える出力制御が2030年に最大25%に達するとした。出力制御をすると本来の能力より発電量が少なくなり、制御分が無駄になってしまう。
日本の電力業界の見通しなどについて、原発再稼働や再生エネの導入量の予想などを踏まえ、将来見通しを4つのシナリオに分類して分析した。
原発が現状の想定よりも多く再稼働し、再生エネも順調に導入が進むケースでは、再生エネの出力制御は25%になると予測した。23年度の出力制御率は最も高い九州地方でも8.3%だった。GEベルノバは原発再稼働が計画以上に進めば、50年には出力制御が30%を超すとした。ジェレミー・ウェザビー氏は「ガス火力や電力を使った水素製造技術などを導入すれば電力供給を安定化できる」と話した。
今後の発電手法の見通しについても示した。電力設備の容量のうち石炭火力が占める割合は22年の15%から50年に3%に下がるとした。一方、ガス火力は石炭火力よりも二酸化炭素(CO2)を出さずに電力の需給調整ができるとして50年までに約20%に増えるとみる。
GEベルノバは4月に米ゼネラル・エレクトリックから分社化した。主に発電用ガスタービンや原子力、風車などの製造を手掛ける。
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