NFTのチケットで転売防止や興行収入の拡大につなげる

J・フロントリテイリングは11日、非代替性トークン(NFT)を使って演劇などのチケットを売買するプラットフォーム運営のチケミー(東京・渋谷)に出資したと発表した。Jフロント傘下の商業施設「パルコ」の劇場チケットの販売などで協業する。海外販売がしやすくなるほか不正転売を防ぐこともできるNFTの利点を生かし、チケットの売り上げ拡大につなげる。

Jフロントのコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)から少額出資をした。出資額は非開示。2024年度内にもPARCO劇場(東京・渋谷)の公演チケットの販売や、新たなNFTチケット商品の開発に取り組む。中長期的には海外からのチケット購入にデジタル対応するためのシステム開発も目指す。

チケミーはNFTチケットを売買できるプラットフォーム「TicketMe(チケミー)」を運営している。音楽ライブや演劇、スポーツ観戦などのチケットをNFT化して販売できる。主催者が転売を許可し、二次販売額の上限を設定すれば、購入者間での売買も可能だ。売り上げの一部は主催者に還元される。

人気のライブなどはインターネット上で高額転売されるケースがある。NFTチケットはブロックチェーン(分散型台帳)技術でチケットの販売履歴などを改ざんできないように記録するため、不正転売の防止につながる。

Jフロントは22年9月にCVCを設立し、デジタル技術やエンターテインメントなどの領域で計10社に出資した。大丸松坂屋百貨店やパルコの集客に向けたサービス創出を目的としている。

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