パナソニックは欧州市場の環境配慮に対応する

パナソニックは9日、欧州連合(EU)加盟国ポーランドの冷凍機メーカー、エリア・クーリング・ソリューションズの買収で合意したと発表した。両社は温室効果が低い環境配慮型の冷凍機の生産に取り組む。パナソニックは環境保護に関心の高い欧州を重要市場と位置づけ、買収で食品流通向けの冷凍機の開発や生産機能を獲得し、EUを中心とした域内での冷凍機事業の基盤を強化する。

パナソニックが企業向けの冷凍機で欧州に開発・生産拠点を持つのは初めて。エリア社の親会社と全株式の取得で合意した。買収金額は数十億円規模とみられ、冷凍機部品などの代理店販売事業は含まない。

エリア社の売上高は非開示。産業用冷凍機を手掛け、環境配慮型の冷凍機に積極投資してきた。パナソニック製のコンプレッサーを使っており、技術面での親和性が高い。パナソニックは買収すれば欧州事業の基盤強化の早期実現につながると判断した。

冷凍機器の冷媒に広く使われているフロンガスは、モントリオール議定書やEUのルールで生産や消費が制限され、温室効果が低いほかの冷媒への転換が求められている。

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