工作機械の受注回復は道半ばの状況だ

日本工作機械工業会(日工会)が9日発表した2024年1〜6月の工作機械受注総額(速報値)は前年同期比4%減の7400億円だった。同期間としては2年連続でマイナスとなった。中国では電気自動車(EV)向け投資に抑制の動きが出ており、日本国内の設備投資に対する企業の慎重姿勢も影響した。

海外向けは横ばいの5156億円だった。最大市場の中国向けは受注が低迷した。北米など他地域向けが減少分を補った。牧野フライス製作所の担当者は「北米の航空機向けなど堅調な分野もあったが、中国などではEV関連の投資の様子見が続いた」とする。

国内向けは11%減の2244億円だった。海外の設備投資の動向を見極めながら投資を決める企業も少なく、受注の回復が遅れている。オークマの担当者は「大手は計画通りの設備投資を進めているが、中小が投資時期を先延ばしにしている」とみる。

6月単体では前年同月比10%増の1338億円だった。単月ベースの増加は2カ月連続となった。海外向けは15%増の929億円だった。ツガミの幹部は「中国の先行きは不透明感が続くものの、展示会に訪れた顧客からの受注は良かった」と述べる。国内向けは横ばいの408億円だった。

自動車業界や半導体業界で設備投資が本格化すれば受注全体の押し上げ要因になる。日工会の担当者は「7〜9月には受注が上向く可能性がでてきた」と予想する。

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