脱炭素化やデジタル化への対応などで事業環境が急速に変わる中、経営難に陥る企業が出ることも予想されますが、企業が金融機関などの債権者と調整しながら再建を目指す「私的整理」の場合、現在はすべての債権者の同意が必要で、迅速な事業再生の足かせになっているという指摘があります。
このため経済産業省は、債権者の多数決による同意で「私的整理」を進められるよう制度を見直す方針で、国の審議会で具体的な検討に入っています。
ドイツやフランスなどで導入されている事業再生の制度も参考にしながら、小口の債権者が不利益を被らないかなどを議論したうえで、見直し案を取りまとめ、早ければ来年の通常国会に必要な法案を提出したいとしています。
審議会のメンバーで、私的整理に詳しい藤原総一郎弁護士は、「全員一致というのは非常にハードルが高く、企業の傷が深くなり、銀行など債権者にとってもマイナスになってしまう。制度を見直すことによって、効果の高い事業の再編や再構築が可能になるのではないか」と話しています。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。